これから退職して、失業保険を利用される方も、そうでない方もいると思いますが、失業保険の給付額が、これからの残業時間で変わることもあります。
しかし、辞めると決まってからは仕事も減るケースが多く、そのため勤務時間が短くなりやすく、結果として残業時間も増えづらいです。
そのまま単純に早く退社すると、計算上としても失業保険の給付金額が少なくなってしまいます。
会社に在職している期間の平均賃金で失業手当の賃金日額を計算するのではなく、離職する日の直前の6ヵ月という所に注目します。
退職する時期が決まっている場合、残業や休日出勤を離職予定日の6ヵ月前から増やすことで、失業保険基本手当算出のもととなる賃金日額自体を大きくすることができます。
例えば残業時間で失業保険額が増える例として、離職日までの6ヶ月の間に、残業を月平均3万円のペースで増やしていったとします。
そうした場合、計算で6ヵ月で18万円の基本給を上げることができます。これを基本手当の対象期間の180日(6ヶ月)で割って、1日あたりの賃金を算出します。
計算式だと(30,000円×6ヶ月)÷180日=1,000円となり、1000円賃金日額の平均を増やすことができました。
なお、1000円賃金日額の平均が増えた上で、所定給付日数の150日、失業保険の給付率が最低の50%に認定されたとします。
計算式だと1,000円×50%×150日=75,000円となり、75000円、失業保険の給付金の総額を増やすことができました。
法律として、故意に残業を増やすのは違法ではありません。もしかしたら、退職届を提出してから、かえって残業が増える方もいるのかもしれません。
つらい残業も、このことを認識するだけで、少し和らぐのではないでしょうか。