失業保険の最近のブログ記事

雇用保険とは

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昨今、新聞に失業率の載らない日はありません。
狼狽しながらも、悲しい現実に立ち向かう勇気は、知識から出てくることであり、知識が必要なことでもあります。

雇用保険は、現在の高い失業率を背景として、益々需要が高まっている制度でしょう。
そして、私たちがよく言う「失業保険」とは、この雇用保険を意味しています。

日本の会社は、社員を持つ限り、社員は必ず雇用保険に加入します。
あなたも当然のごとく、在職中は雇用保険に加入し、毎月のお給料から天引きされていた雇用保険料があるはずです。
しかし、その制度がどのようなものなのか、加入者の区分はどのようにされているのかということは、案外知られていません。
雇用保険の実態を知らないままに払い続けるのではなく、雇用保険は私たちの基本的な権利でもあるので、その制度から学ぶことはたいせつなことですね。

雇用保険とは、被保険者が失業状態になったときに、支給する基本手当などで労働者の生活を支援するほかに、求職活動をスムーズにするために、常用就職支度手当や再就職手当てなどを支給することで、再就職を促進していこうとする制度です。

在職中に私たちは、被保険者となって保険料を支払うことになりますが、「被保険者」は労働時間および契約期間の違いで種類が分かれていて、受給できる内容もそれぞれ異なります。
4つに分類されます。
1.多くのサラリーマンが該当する、一般被保険者。65歳未満の常用労働者です。
2.同一の会社に継続して雇用される、65歳以降の方。高年齢継続被保険者。
3.短期雇用を繰り返したり、季節的に雇用される方。短期雇用特例被保険者。
4.30日以内などの期間を定めて、適用事業に雇用される方。日雇労働被保険者。などです。

雇用保険のチェックポイント

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チェックポイントがいくつかありますが、まず区分を掘り下げてみます。
被保険者の区分とは、一般被保険者と高年齢継続被保険者に関しては、さらに「短時間労働被保険者以外である一般被保険者」や「短時間労働被保険者」との2つに分かれています。
週の労働時間が20時間以上30時間未満であり、1年以上の引き続きの雇用が見込まれるというのが、「短時間労働被保険者」の条件であり、これに満たない人は残念ながら雇用保険に加入できません。
そして、パートなどの「短時間労働被保険者」になる人以外、例えば正社員などが「短時間労働被保険者以外である一般被保険者」となります。

第2のチェックポイントとして、雇用保険に加入していたことを証明する被保険者証は大切に保管しましょう。
これは、就職してから、会社が被保険者としての資格の取得手続きをハローワーク(公共職業安定所)にて行った際に発行されます。
なお、転職しても、一度決定した各人の被保険者番号は、転職後も変わりません。

転職した場合、この被保険者証を転職先に提出して新たなものを作成し、被保険者としての記録をそのまま引き継いでいきます。
もしも紛失すると、不利な取り扱いとして、失業給付が受けられなくなるなどの場合もあるので注意が必要です。
大切に保管してください。離職するまで会社が保管しているということもありますが、万が一在職中に紛失した場合は、会社に再発行の手続きをしてもらいます。

基本手当てとは

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私たちが受給する失業保険の礎となるのは「基本手当」です。失業認定のあとに、基本手当を受けることができます。
退職したからと、すぐに必ず基本手当がもらえるわけではありません。
何らかの事情ですぐに働けない人は「失業状態」とみなすことができず、結果、支給されないケースもあります。
どのような場合に受けることが可能かということが重要です。

失業保険をもらうということは、失業等給付の中の「基本手当」をもらうということになります。
しかし、ある一定の条件を満たした人でないと支給されません。退職した人すべてがもらえるのではなく、条件があるのです。
被保険者期間が最低6ヶ月以上の方が、離職日以前となる1年間のうちに、退職したあと地元のハローワークに離職票などを提出します。
そして、求職の申し込みをして、受給資格を判断します。
そこで受給資格と失業認定をされて、「基本手当」を受け取ることができます。

条件としては、離職日前の1年の間(なお、短時間被保険者は最大2年間)に6ヶ月以上の被保険者期間があることが条件となります。
被保険者期間としては、離職日から1ヶ月ずつさかのぼり、各々1ヶ月の間、賃金支払い基礎日数が14日以上ある場合、被保険者期間1ヶ月として、認定されていきます。
また、基本手当を受けるには、上記の「失業認定」が必要となります。
失業認定を受けるには、本人の積極的な労働の意思、いつでも就職できるという、積極的な姿勢、そして健康、または環境が整っていることが条件です。
そういう中で、一生懸命に求職活動しているが、なかなか仕事が見つからない・・・という状態が、「失業状態」といわれます。

失業する方々への援助

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多くの人には厳しいこの冬。景気の後退続く中、同時に解雇、契約打ち切りもあります。
そして、仕事や住居を失った人を、自治体が支援する動きが活発になっています。
応急処置として、県営住宅への入居や、臨時職員としての採用を通じて、数カ月間を安心してひとまず過ごしてもらうという緊急措置です。
しかし、派遣社員らの契約が打ち切られる人数と比較すると、このような“救済”は限定的で、すべての人ではありません。

神奈川県の知事は、解雇や契約終了などで社員寮からの退去を言い渡された求職者83人を、期限付きで県営住宅40戸に入居させると発表しました。
さらに、住宅供給公社や市町に働きかけて同様の手法を広げたいとしています。
愛知、山口の両県でも同様に提供する方針を公表しています。

新潟県長岡市と上越市は、短期間の臨時職員として、解雇対象となった契約社員や派遣社員を計130人雇用すると発表しました。
福岡県も、高卒者で内定取り消しされて就職先が決まらない方を対象に、臨時職員として採用する検討を始めました。
緊急雇用対策として約20人の臨時職員を採用するとともに、ホームヘルパー研修費用の助成を実施することを表明しました。
民間でも、進学塾経営の学究社(東京)が、臨時職員の募集を始めました。首都圏の塾などで軽作業などに従事するものであり、対象は10月以降に契約打ち切り、倒産などに遭った失業者で、採用数は最大100人、雇用期間としては12月24日から最長4カ月としています。
河端真一社長は、限定的な対策であり、“貧者の一灯”に過ぎないかも知れない。しかし、報道などで、クリスマスや正月を職が無い状態で迎える人を見るのが忍びなく、自分にできる範囲の支援をすることにしたと言っています。
そして、塾の子供たちはこのような社会状況を見て、社会に出ることに怖い印象を持ち始めている。だから、教育的な面も考慮したとも話しています。

失業保険はあるけど、総額どれくらいもらえるのかというのは、気になるところです。
自分で算出することが出来れば、計画もスムーズですね。

基本手当の総額の算出は、基本手当日額×所定給付日数で算出されます。
そして、その「基本手当日額」はどのようにして出るかというと、まず退職前6ヶ月の給与(賞与は含まれない)を原則として、その合計を180で割り、それによって出た金額である「賃金日額」を計算します。
ここで、賃金日額には上限と下限があるので注意が必要です。
そして、賃金日額に給付率を乗じ、基本手当日額が算出されます。
「所定給付日数」ですが、雇用保険と退職理由に加入していた期間で異なります。
また、基本手当をもらえる期間は限られていて、離職日の翌日から1年間です。
この期間を「受給期間」といい、そこを過ぎてしまうと基本手当はもらえません。所定給付日数が余っていてもです。
ただし、出産や介護などで、今すぐに就職活動ができない人などは、受給期間の延長が可能です。

基本手当の算出式ですが、

基本手当の総額=所定給付日数×基本手当日額

基本手当日額=45~80%×賃金日額(パーセントは、年齢や賃金日額によって異なります)

賃金日額=退職前6ヶ月からの給与総額÷180(6ヶ月×30日)

基本手当の上限額
30歳未満・・・ 6,365円
30歳以上45歳未満・・・7,070円
45歳以上60歳未満・・・ 7,775円
60歳以上65歳未満 ・・・6,777円となります。

失業保険支給(説明会)までの流れです。

○離職票をもらう
離職した後、以前勤務していた会社から「離職票」を受け取ります。
退職する時に、離職票の受け取り方法について相談しておくのがよいです。
そして、離職票の発行までには通常10日前後かかります。
○求職の申し込みを行う
住所地にあたるハローワークにて、「求職の申し込み」を行います。
失業保険の申込み期間は退職後1年間なので、早めに手続きしましょう。
ハローワークにて受給資格の決定が行われます。その際に、離職理由についての判定のため、簡単な聞き取りもあります。
そして、次の受給説明会の日時確認後、「雇用保険受給資格のしおり」が配られます。
受給資格が決定すると7日間の待機期間がありますが、この間はアルバイト禁止となります。
アルバイトが発覚すると、就職が決まったとして、失業保険の受給資格がなくなります。
求職の申し込み手続きに必要なものは、以下の通りです。

必要書類
・離職票
・写真(縦3cm×横2.5cmの正面上半身のもの)
・印鑑(認印でも可)
・雇用保険被保険者証
・官公署発行による本人確認書類(運転免許証や国民健康保険被保険者証、住民票など)
・郵便局を除く本人名義の普通預金通帳


○雇用保険受給者初回説明会
指定の日時に開催されます。必ず出席です。持って行くものは、印鑑と、「雇用保険受給資格者のしおり」、筆記用具等です。
受給説明会では、ポイントを押さえた重要な説明が行われます。
説明会終了後、第1回目の失業認定日が決定されます。
その際、「失業認定申告書」「雇用保険受給資格者証」が渡されます。

失業の認定

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失業の認定
失業とは、一般の定義として、離職した人が「就職したくて、十分な意思と能力があるのに職に就くことが出来ず、状態として自発的に求職活動を行っている」ことを意味します。
なので、日々何もせずブラブラしているだけでは、定義として「失業」と認められません。
また、離職の理由として
懲戒解雇・・・自らの責任による重大な理由によって、解雇されたとき
自己都合・・・本人の都合だけで、正当な理由なしに退職したとき
これらの理由は、待機期間(7日間)に加え、給付制限の3ヶ月が設けられます。
その場合、失業保険の受給対象としては、2回目の失業認定後になってはじめて認定を受けることとなります。

原則(給付制限が設けられる離職理由)として4週間に1度、求職活動などの申告をします。
住所地のハローワークへ指定された日時に出向くことになります。

受給として、失業の認定一週間後に指定した金融機関の預金口座に基本手当が振り込まれます。
それ以降、再就職が決まるまでの間に、失業の認定と受給を繰り返しながら、基本手当が支給される最高日数の所定給付日数を限度として、職探しとなります。
なお、給付日数は離職時の年齢、離職理由、被保険者であった期間によっても異なります。

退職したら、すぐに手当てが支給されず、6段階ぐらいをふんで、受給されます。
こんなに時間がかかるとは・・・とならないように、支給されるまでの流れについて確認しておくことが、大切になります。

失業保険の所定給付日数

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実際に、受給資格を受けたとしても、失業保険の中心となる「基本手当」は、いつまで、どのくらいの期間もらえるのかと、気になりますね。
たとえ被保険者期間が同じであっても、給付日数は年齢や離職理由によって異なってきます。
また、基本手当の受給期間が原則1年間ですが、退職理由の内容によって延長されることもあります。
一概に、いつまでもらえるということ、被保険者期間がこれくらいの年だから、これくらいの日数もらえるだろう、いつまでもらえるだろうとは言い切れないのです。
個人個人で確認が必要です。いつまでもらうことができるのか、所定給付日数が自分は何日分なのかが大事です。
基本手当の支給を受ける可能な日数である、基本手当の所定給付日数は90日~360日とされ、雇用保険の被保険者及び年齢の期間、離職の個人的理由によっても異なります。
いきなりの倒産・解雇は、精神的にも再就職の準備をする余裕、また時間的余裕もありません。
そんな場合は、一般の離職者に比べ特定受給資格者(会社都合)として、手厚い給付日数となることがあります。
また、社会的事情により就職阻害を受ける方、知的障害者、身体障害者、精神障害者など、就職が困難とされている方々も同様です。

基本手当の受給期間は原則として離職した日の翌日から起算の1年間となっていて、所定給付日数を限度としてこの期間内に受給することになります。
よって、基本手当ての段取りが遅れて、退職してから相当期間、申し込みが遅れると、基本手当(所定給付日数分)をもらうことができません。
特に、退職して3ヶ月の給付制限がある人(自己都合の人)は要注意です。
ただし、この受給期間を本人の申し出によって延長することができます。
病気やケガなどの一定の要件に該当する場合になります。
しかし、これが認められたとしても、単に受給期間が延びるだけで、所定給付日数が増えるわけではありません。注意してください。

失業保険の不正受給

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失業保険をもらっているのに、バイトを内緒でしていて、実は失業前よりも多くの収入を得ている・・・という方はいませんか?
これは、不正受給といって、ある種の犯罪になります。
不正に受け取った分を返還しますが、以後の雇用保険も受けられません。
そして、悪質とみなされた場合には、さらに不正受給額の2倍の額を納付の「3倍返し」を言い渡されます。
どのような場合であっても、バレない・・・と思っていても、関係官庁との連携により、またはコンピューターにより、投書や電話などの通報、家庭訪問や安定所の事業所調査により発見されます。
自分では働いていないと思っていても、名義だけの役員に就任した場合や、就職のために研修や教育を受けた期間 、収入が入らないけれど自営業をはじめたり、賃金はもらっていないけど、実際に働いた場合は、働いているものとみなされてしまいます。
このペナルティを頭において、きちんとした形で受給されるようにしましょう。
不正受給になるのは、離職票の交付にあたり、事業主に虚偽の内容を記入してもらい、離職票の交付を受ける場合や、賃金の数字などを変えて離職票に書き換えた場合。
就職したのに、失業中と嘘をついて基本手当を受給した場合、収入があるのに申告しないなど、失業認定申告書に嘘の申告をした場合。
代理人をたてて、卒業認定を受けた場合や、一部の離職票などの提出すべき書類を提出しなかった場合などです。
特に悪質な場合になると、刑法(詐欺罪)による刑事事件として処分されます。

有給休暇の消化

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退職する場合、有給があと何日残っているのかを確認しましょう。
勤めているときは、会社に対してわがままを通すのはなかなか難しいものでも、辞めるとなったら言いやすいものです。
退職の意思が自分にあり、退職することを告げた当日、時間があくとなかなか言いづらいので、有給の話にまで持ち込めるといいです。
しかし、それでも言いづらい人のために、基礎知識が必要です。

有給とは、一方的なこちらの意思表示で当然のごとくに効果が発生するので「形成権」ともいわれています。
難い話になりますが、一度有効に年休の申し出があった場合は、会社は原則として断れないのですが、年休使用者が普通の努力をしても、会社の事業の正常運営を妨げる場合は、会社としては「別の日にしてくれ!」と言うことができ、これを法律的には「時季変更権」といいます。
話をしても、会社側がどうしても有給休暇を与えない場合は、相談(労働基準監督署)する事が出来ます。

つまり、辞める時期に有給を消化することは労働基準法で決まっていて、問題は法律的にはないのです。
辞めるときに、「辞めるときに有給など使えません」という会社は、問題があり法律違反になります。
最近の会社では、「退職は△日付けですが、○日からはもう有給消化で出社しません」という言い方が普通の基準値の会社もあります。
言い方は多少問題ありますが、そういうこともあることを知っておいたほうがよいですね。

法律的に、最後まで争う場合に会社が負けるのは確実ですが、なるべくスムーズに有給がこなせると良いですね。

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2009年1月: 月別アーカイブ

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